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執筆者の写真洪均 梁

(扱うもの別)有機溶剤

更新日:2021年8月15日


どんなところで使っているの?


有機溶剤は、一般的に水に溶けない物質(油、脂肪、 樹脂、ゴム類など)を溶解する用途で用いられる液体です。

常温常圧では液体ですが、蒸発しやすいという特徴があります。 非常に引火しやすいものと、不燃性のものとがあります。

有機溶剤は,広く産業現場で使われていますが、溶剤を混ぜた場合の毒性については 分っていないことも多く、

実際に扱う労働者が危険に さらされる場面もあり得ます。

多くの産業で使用されている有機溶剤ですが、特に接着、塗装、印刷、洗浄作業に用いられることが多いです。


体にはどんな影響があるの?


人体への影響としては、脳や肝臓、腎臓に障害を起こします。有機溶剤は毒性の強い化学物質群と言えます。

また有機溶剤は、これまで人体への影響は鼻や口から気道を通して吸うことが主であると考えられてきましたが、

皮膚からの吸収も無視できない可能性があります。



どんな有機溶剤に気をつけたら良いの?


すべての有機溶剤は皮膚に障害を起こします。

皮膚に付着した有機溶剤は皮表から吸収され、皮膚の痛み、紅斑、水疱などの障害をきたします。

吸収された有機溶剤は毛細血管から血液中に入ります。

水や油に溶解しやすいものほど一般に皮膚からの吸収 が多く、皮膚に傷や炎症があれば、それだけ吸収されやすくなります。

また、有機溶剤が眼に入ると、流涙、充血、眼痛 などを起こします。


有機溶剤中毒予防規則の対象となる有機溶剤は前部で54種類あります。

第一種・第二種と規定されている有機溶剤は発散源を密閉する、または局所排気装置、プッシュプル型換気装置のある場所での

作業が必要であると定めています。


有機溶剤中毒規則についての詳しい情報は、厚生労働省による「有機溶剤を正しく使いましょう

https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/120815-1.html」というサイトを参照してください。


なお、皮膚から吸収されるものとして特に注意すべき有機溶剤には、次のものが挙げられます。






第一種

四塩化炭素

1,1,2,2-テトラクロルエタン

二硫化炭素


第二種

トルエン

キシレン

イソブチルアルコール

エチレングリコールモノエチルエーテル

エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート

エチレングリコールモノブチルエーテル

エチレングリコールモノメチルエーテル

クレゾール

1,4-ジオキサン

N,N-ジメチルホルムアミド

テトラクロルエチレン

1,ブタノール

メタノール

メチルイソブチルケトン

メチルシクロヘキサノン

メチルブチルケトン



皮膚ではどんな症状がおこるの?


有機溶剤が皮膚に付着して起こる皮膚の症状は様々なものがあります。

目に見える皮膚の所見はないものの、刺すような痛みや灼熱感を自覚することがあります。

また、刺激性接触皮膚炎をきたすと、刺激感や痒みを伴う紅斑や浮腫を呈します。

曝露されることで、皮膚の乾燥、それに伴うバリア機能の低下が起こり、二次的な皮膚障害も起こしやすくなります。

多くの有機溶剤は、蓄積毒性があるため、慢性中毒をきたす危険もあります。



皮膚の症状


刺激感 (チクチクする・ズキズキする)

接触蕁麻疹

全身の紅斑やスティーブン・ジョンソン症候群(トリクロロエチレン)

色素脱失

刺激性接触皮膚炎

化学熱傷

皮膚硬化

ニキビ(オイル座瘡)

光線過敏症

色素沈着


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