top of page
natsuko-saito

(JBS)パラフェニレンジアミン

更新日:2021年8月15日

【用途】

パラフェニレンジアミンは染毛剤の中でもっとも多く使用されている酸化型永久染毛剤の主成分


【感作されやすい職業】

理美容師におけるパラフェニレンジアミンのパッチテスト陽性率は80-95%と報告されている


【問題点】

この物質に化学構造が類似した他の物質にも反応を起こすことがあり、これを交差反応と呼ぶが、衣類などの染料として使用されるパラアミノベンゼンと、化粧品色素として使用される赤色225号、ゴムの老化防止剤、サルファ剤などがある。

また、ジアミン系占領やアミノフェノール類などの繊毛剤成分との交差反応もあるため、パラフェニレンジアミンにアレルギーがある場合には、すべての酸化染毛剤との接触を避けた方が無難である。


しかし、非酸化型の永久染毛剤はパラフェニレンジアミンを含まない代わりに、色調が限られ、パーマがかかりにくくなるため、あまり使用されない。


【対策】

□ グローブの着用

ヘアカラー、洗髪、ワインディング施行時はグローブを着用する。

皮膚保護剤のみのとふだけでは不十分である。

グローブは肘まであるようなものが望ましく、染色したばかりの髪に直接触らない様に気をつける。

□ スキンケア

軽微な症状であっても早期に受診する。こまめに手洗い、保湿を行う。

また、アトピー性皮膚炎を合併していると増悪することがあるため、合併症があるときには定期受診を行う。

□ 教育・理解

発症すると離職率が高くなることが報告されており、

手荒れが強いときには、労災として数日休業することも検討する。




【参考文献】

松永佳世子,他:皮膚 31:167-175,1989

須永匡彦,他:日本公衆衛生雑誌 39:714-719,1992

西岡和恵:Journal of Environmental Dermatology and Cutaneous Allergology 1:181-188,2007

中山秀夫:皮膚病診療 28(増):157-162,2006

片岡葉子:アレルギーの臨床 25:1081-1085,2005

有巣加余子,他:皮膚 33:382-389,1991

中山秀夫:皮膚病診療 28(増):157-162,2006

閲覧数:44回0件のコメント

最新記事

すべて表示

(美容師) パーマ液

多くは、チオグリコール酸アンモニウムなどの還元剤や、第1剤に配合されるアルカリ剤による刺激性接触皮膚炎による。 チオグリコール酸類(還元剤) パーマ第1剤の還元剤として使用される代表的な成分。 刺激が強く、刺激性の接触皮膚炎を起こすとされるが、アレルゲンとなることもある。...

(JBS)イソチアゾリノンミックス(ケーソンCG)

【用途】 メチルクロロイソチアゾリノンとメチルイソチアゾリノンの合剤で、ケーソンCGとも表記される。 日本での陽性率は2011年以降2.0~2.7%と徐々に上昇している。 防腐剤としての効果が高いため、塗料などの工業製品、冷却水用抗菌剤、のり、シャンプー、化粧品などに広く用...

Commenti


bottom of page